バリアフリーを意識した空間づくりで将来も安心!
2020年08月06日戸建て住宅を購入するとき、間取りや水回り・空調や外壁・屋根の形や素材、内装などに目が向きがちですが、時間経過まで視野に入れたデザインや構造まで考慮することは少ないようです。最近ではあらゆるモノの仕様にユニバーサルデザインの思想が普及しています。戸建て住宅の建築において、ユニバーサルデザインでは、年寄りから子どもまであらゆる年代の人間が快適に生活を送ることが出来る住まい、と言うことになります。ただ現在では核家族化が進行しているので、同じ家に多世代の人間が生活することは少なくなっています。今後ユニバーサル住宅を実践するときに必要な要素は、年月の経過とともに変化するニーズにこたえることが出来る柔軟性にあります。それでは実際にどのような点に考慮して、空間作りを意識するべきなのでしょうか。
住宅を新築するタイミングは、30代が最も多くなっています。30代は健康面での心配がなく、長期の住宅ローンを組むなどのリスクも果断に選択できるからです。この年代ではこれから先30年ほどの間に訪れる状況の変化まで想像できないかもしれません。しかし誰にでも確実に状況は変化していくことを心掛けるべきです。老後になっても暮らしやすい住まいであるためには、場合によってはリノベーションでバリアフリーな空間作りが必要になることもあり得ます。バリアフリーの工事では手すりをつけたり、車いすでスムーズで移動できるように段差を解消するなどの施行が中心です。
しかしリノベーションでバリアフリーをカバーするのは、意外と制約が多いのは留意するべきといえます。例えば手すり一つを設置するにしても、想像以上に大掛かりな工事が必要になることも。例えばコンクリオート素材の場合、削って穴をあける作業が必要になり、飛散するコンクリートを養生するなど工事の手間も大掛かりになり、当然コストも嵩みます。したがって将来は手すりを設置するために、手すりをつける箇所だけ、素材を変えておくなど新築時に準備を済ませておけば、必要なときに簡易な工事で対応できます。加えて戸建て住宅では二階建てが主流ですが、老後は足腰が弱くなると階段の上り下りはきつくなります。二階建てを択ぶなら階段の角度や段数も年齢をかさねても、足腰に負担がかからないように十分検討する必要があります。リノベーションで階段を付け替えるというのはコストが嵩み現実的な選択肢とはいえないからです。